自己免疫性脳炎

自己免疫性脳炎

自己免疫性脳炎は最近(2007年)になって提唱された疾患です。

脳炎は脳神経内科疾患でもっとも緊急性が高く、適切な治療が必要なものとなります。
症状は発熱、意識障害、けいれん、幻覚妄想、不随意運動など非特異的な症状が多く認められます。

これまで脳炎と言えば、ヘルペス脳炎に代表されるウィルス感染によるものとされていました。
しかし以前からウィルス感染症ではない脳炎が若い世代の特に女性に起きやすいと日本から報告がされていました。
2007年になり、若年女性の原因不明の脳炎患者の血液や髄液から、抗NMDA受容体抗体と呼ばれる異常な免疫抗体が見つかり高確率で卵巣腫瘍を合併していたと報告がされ、自己免疫性脳炎の概念が提唱されました。

その後、抗LGI1抗体、抗CASPR2抗体、抗GAD抗体、抗Hu抗体、抗Ri抗体、抗Yo抗体、抗NAE抗体、抗AMPAR抗体、抗グリシン抗体、抗GFAP抗体などなど、多数の自己抗体が発見されています。

抗体により治療反応性や再発の可能性などが異なっており、検索することは重要なのですが、数が多すぎるため有名なものしか測定することができないです。
また発症当初はウィルス性脳炎と区別がつかないことが多く、感染性脳炎と自己免疫性脳炎の治療を併用して治療することが多いと思います。

若年者に突然幻覚妄想が出現したときには脳炎とともに総合失調症との鑑別が特に重要とされます。

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