筋萎縮性側索硬化症(ALS)

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは

ALSは有名な神経疾患であり、ご存じの方も多いと思います。
全身の筋肉が徐々にやせ、力が入らなくなってくる疾患です。
人口10万人あたり5−8人程度とされており、それほど頻度の多い疾患ではありませんが、近年は高齢化の影響もあり、診断することが増えている印象があります。

神経系には大きく分けて、運動神経系、感覚神経系、自律神経系に分けることができるのですが、このうち運動神経系のみを特異的に障害されていく疾患となります。
四肢を動かす場合、大脳皮質で動かそうとする情報が発生し、脳→脊髄→末梢神経→筋と伝達されていきます。脳と脊髄を中枢神経とよび、末梢神経と区別をしています。
ALSは中枢神経も末梢神経も両方とも障害を受けてしまいます。感覚神経や自律神経は障害されず、症状が進行しても感覚は保たれるとされます。

中枢神経が障害された場合は症状として、四肢の突っ張り、腱反射の亢進などの症状が出現します。
末梢神経が障害された場合は、筋力低下、筋委縮などの症状が出現します。また線維束性収縮と呼ばれる、全身の筋肉がぴくぴくと勝手に動く症状も多くみられます。

診断するためには筋力低下や筋委縮の原因が、中枢神経と末梢神経がともに障害されていることを証明することで行われます。

筋力低下は下肢から始まるタイプ、上肢から始まるタイプ、嚥下障害から始まるタイプ、呼吸筋から始まるタイプと別れており、それぞれで症状と経過が異なってきます。

筋力低下を見た場合、脳血管障害や脊髄疾患などはないか、筋疾患でないか、末梢神経障害ではないかなど、鑑別診断をしっかり行っていく必要があります。気になる症状がある場合は専門の先生に相談をお願いしたいです。

治療方法としては現在の日本で適応があるのは2つとなります。

リルゾール(リルテック)1日2回内服。ALSの進行を抑えることが実証されている。

エダラボン(ラジカット)2週間点滴を行い、2週間休薬する。これを繰り返し投与する。リルテックと同様に、ALSの進行を抑えることが実証されている。

その他でも、ビタミンB12、ロピニロール、ボスチニブ、肝細胞増殖因子、ベナンパネルなど様々な薬で治験を行っています。
ラジカットの治療が行えるのは現在日本のみであり、ALSに対する治験も日本が世界をリードして行っております。

お問い合わせはこちら

少しでも症状を感じた際はお気軽にご相談ください。
  • 058-372-8007
診療時間
9:00~12:00 ×
16:00~19:00 × × ×