もの忘れと幻覚
認知症の方で幻覚が見られることがあります。
認知症ではアルツハイマー型認知症が最も多いとされていますが、幻覚が見えることはかなり稀です。
見えたとしても末期の状態で見られることが多く、アルツハイマー型認知症の初期の段階で幻覚が見えることはまずないと言ってもいいと思います。
アルツハイマー型認知症では妄想の症状が出ることがあるので、過度の妄想から幻聴などの幻覚が出現することがありますが、妄想に関連するような幻覚となります。
それに対して、妄想に関連のないような脈絡のない幻覚が出ている場合はレビー小体型認知症を第一に疑わなければなりません。
アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症は治療薬としてコリンエステラーゼ阻害薬と呼ばれる、アリセプト(ドネペジル)などを使うことが多いので、治療方法としては差異はないかもしれませんが、介護の仕方や経過の見方などが全く異なってしまいますので、できるだけ早めに区別することが重要となってきます。