重症筋無力症は「重症」と書いてありますが、最近ではかなり病勢の管理ができるようになってきており、重症でない方の方が多くなってきています。
医学的にはMGと略されます。
その名の通り、「筋肉」が「無力」となり、力が入りにくく、疲れやすくなっていきます。
以前は比較的若い人に多いとされていましたが、最近は高齢発症の重症筋無力症が増えてきています。
重症筋無力症の原因部位は「神経筋接合部」です。
筋肉を動かすためには脳からの情報が「神経」→「筋肉」と伝わっていくのですが、この「神経」と「筋肉」の間での情報伝達が阻害されるため筋肉に力が入らなくなります。
症状としては眼だけの症状の「眼筋型」と全身に症状がでる「全身型」の2種類があります。
「眼筋型」は眼だけの症状であり、疲れてくるとまぶたが垂れてくるのが特徴です。症状がひどくなると自力で目を開けることができなくなり、ものが二重にみえてしまうようになります。手足の症状がないことが重要です。
「全身型」はその通り顔面、首、手足など全身の筋力低下が出現します。もちろんまぶたもよく垂れます。
当初「眼筋型」だったものが、「全身型」に移行することも経験します。
どちらも易疲労性があり、疲れてくると症状が悪化します。そのため夕方になるほど症状が強くなります。
力が入りにくくなるのですが、すこし休憩すると再度力が入るようになります。
重症筋無力症を診断するにあたって、この日内変動の病歴があるかどうかがもっとも重要となります。
まぶたが垂れるようになった、夕方になると力が入らなくなるなどの症状がある方は医師に相談をお願いしたいです。
重要な鑑別疾患としては、まぶたが垂れるものとして眼瞼挙筋(まぶたを上げる筋肉)の筋力低下によるものが重要となります。