進行性核上性麻痺はPSP(progressive supranuclear palsy )とよく言います。
人口10万人あたり5-20人とされており、頻度的には少ない疾患となります。
パーキンソン病同様にパーキンソン徴候(強剛・振戦・無動・姿勢保持障害)をきたすのですが、
大きな特徴として目が上下に動きにくくなること(眼球運動障害)が出現しやすいとされています。
そもそも進行性核上性麻痺の麻痺とは眼球の動きが麻痺することを指しています。
眼球を動かすときには大脳皮質→動眼神経核→動眼神経→外眼筋と情報が伝わることで動かすことができています。
進行性核上性麻痺ではこのうち、動眼神経核より上位(つまり大脳皮質や大脳皮質から動眼神経までの連絡通路)の障害により眼球が動かなくなることを指しています。
パーキンソン病とくらべてみると
- バランスが悪く、より転倒しやすい
- 四肢よりも頸部や体幹の強剛が強い
- 抗パーキンソン病薬が効きにくい
- MRIでは脳幹部(脳と脊髄の連絡部)の萎縮が目立つ
といった特徴があります。
パーキンソン症候群はどれも似ており、経過を見ながら症状で区別をしていくのですが、いずれにせよしっかりと診断していくことが重要と思います。