ものが二重に見える(複視)の原因とは?内科的な観点から。
急にものが二重に見えるようになる。いわゆる複視の症状は外来をしていると、ちょくちょく来られます。
はじめに眼科に行き、網膜剥離などの異常がないことを確認されてから、内科にかかられることが多いです。
急に出現した複視を見た場合、動脈瘤の鑑別が必須となります。
動脈瘤が大きくなり、動眼神経を圧迫した場合、複視が出現するからです。
動眼神経を圧迫するほどの動脈瘤の場合、破裂する危険性が高いため、外科的な処置を速やかに施行しなければなりません。
頭部MRIなどで、動脈瘤の有無をまずは調べる必要があります。
動脈瘤がない場合、その他の疾患を考えることに成るのですが、鑑別疾患が多く見られ、これらを1つづつ除外していかないといけません。
- 脳梗塞
- 脳出血
- 外傷
- 多発性硬化症
- サルコイドーシス
- Wernicke脳症(ビタミンB1欠乏症)
- ビタミンE欠乏症
- トロサ・ハント症候群
- 側頭動脈炎
- 膠原病による末梢神経障害
- Fisher症候群
- 重症筋無力症
- 甲状腺眼症
- 脳腫瘍
- 眼窩腫瘍
- 脳炎・髄膜炎
- 進行性外眼筋麻痺(ミトコンドリア脳筋症)
- 糖尿病による末梢神経障害
- 薬剤性(リリカ、睡眠剤、抗てんかん薬など)
このように疾患としては多いのですが、一つずつ除外をしていくしかありません。