お知らせ・コラム

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いわゆる「自律神経失調症」とは?

よく、「自律神経失調症」と言う病名を聞きます。
めまい、ほてり、ひえ、胃もたれ、意欲低下など、標的臓器を調べても原因がわからないときにそのように診断をされていることが多いと思います。


ネットで自律神経失調症を調べたら色々と出てきますし、そのように言われたと言っている方も多く見られます。
しかし、どの脳神経内科の医学書を読んでみても「自律神経失調症」に関して書いてあるものはありません。

自分も脳神経内科を学んで10年以上経過していますが、「自律神経失調症」と診断した人は一人もいないですし、周りの脳神経内科の先生方が診断しているのを見たことはありません。
外国の論文などでも「自律神経失調症」が出てくることはないですし、日本語の論文でさえも見つかりません。

もちろん、パーキンソン症候群や糖尿病、ギラン・バレー症候群などで自律神経障害が出現する人はいます。

  • 立ち上がっただけで、血圧が下がり、気を失う方。
  • 排尿障害が出現し、尿が出なくなる方。
  • 腸の動きがおかしくなり、高度の便秘となり、腸の中がガスや便でパンパンに膨れ上がっている方。

そのような高度の症状であれば、「自律神経不全」とよび、治療をしますが、巷にあふれている「自律神経失調症」とは症状は全然似ていません。
「自律神経失調症」と診断された方も、神経の検査をされているかたは見たことがないです。

「自律神経失調症」とつけられた方は大体、精神的なものと考えられ、ベンゾジアゼピン系の安定剤・抗不安薬などを飲むようですが、このような薬に自律神経を調節する作用はなく、むしろベンゾジアゼピン系による依存症の問題の方が大きいと思います。
精神的に少し安定し気分が楽になると言ったら楽になるのですが。

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を使うとしたら、「自律神経失調症」とつけるよりもきちんとした精神科的な病名をつけ、きちんとそちらの治療をした方がいいのではないでしょうか。

「自律神経失調症」の症状として、ひえやほてり、発汗、めまいなどの訴えが上がります。
漢方のページでも書きましたが、そのような人こそ、西洋医学ではなく、東洋医学的な漢方の出番と思います。
いろいろな症状の訴えがあっても、漢方薬を飲んだら症状がなくなったという人をたくさん見てきました。

自律神経失調症と診断することで問題となってくるのはベンゾジアゼピン依存症と的確な診断がなされないことです。
もう依存症となっている方はなかなかベンゾジアゼピン系を止めることができません。
他の原因などがあるかもしれないのに、自律神経失調症だからと言われ、さらなる検査などされないことが多く見られます。

もうそろそろ、よくわからないから「自律神経失調症」とつけて、ベンゾジアゼピン系をのみましょうという医療は誰かが是正をするべきではないかと思うっています。

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