脳が若返る?最新の脳の研究からの知見から。
脳は25~30歳ごろが体積的にも機能的にもピークと言われており、徐々に萎縮し、能力も下がっていってしまいます。
しかし、最近のマウスの実験では老齢マウスの記憶力を改善させる事ができたようです。
頭蓋骨の中には脳脊髄液という液体で満たされており、その中に脳や脊髄は浮かんでいるような状態です。
この脳脊髄液の働きはよくわかっていないことも多いのですが、アルツハイマー型認知症では脳脊髄液の中のアミロイドβが低下し、タウ蛋白が増加していると言われています。
そのためアルツハイマー型認知症の検査のために脳脊髄液を調べることもあります。
若いマウスの脳脊髄液を老年マウスに投与したところ、記憶力が改善し、神経細胞が回復したようです。
脳脊髄液の中には脳細胞の信号伝達を促進する物質が含まれており、それにより神経細胞が活性化し、神経細胞が増殖したようです。
脳脊髄液の中のどの成分が脳細胞の増殖に関わっているのかがわかるようになれば、脳を若返らせ、認知症の治療薬として使える日が来るのかもしれません。
Nature:Published: 11 May 2022: Young CSF restores oligodendrogenesis and memory in aged mice via Fgf17