成人のてんかんも外来をしているとちょこちょこ来院されます。
脳炎や頭部外傷の後遺症によるてんかんはもちろん、特発性全般性てんかんとよばれる欠神発作(数秒程度ボーとする発作)、強直間代発作(手足をガクガクとさせる発作)、ミオクロニーてんかん(朝方にピクリと四肢をうごかす発作)もよくいられます。
幼少時に熱性けいれんを起こされた方は、海馬硬化といって、海馬が変性することがあり、時間をおいて、成人期に側頭葉てんかんを発症することもよく見られます。
その他、外傷や低酸素性脳症、脳炎の後遺症、脳血管障害の後遺症、生まれつきの脳の形成障害(皮質異形成)としててんかん発作を起こすことがあり、焦点となる回路異常の部位により症状が異なってきます。
- 前頭葉てんかん(前兆なく、急に大声を出し、首を傾け、足をバタバタさせる発作)
- 側頭葉てんかん(口をもぐもぐさせたり、手をもぞもぞと動かすような発作)
- 後頭葉てんかん(幻視が見える)
などが有名です。
てんかんと診断されれば、まず抗てんかん薬の内服を行います。
昔の薬は肝機能障害や白血球減少、ふらつき、眠気、皮疹などの副作用が多い薬ばかりでしたが、新規抗てんかん薬といわれる副作用の少ない薬が主流となってきています。
しかし、抗てんかん薬は脳の異常放電を抑える=脳の機能を抑える薬のため、どうしてもある程度の眠気やボーとする症状は出てしまうことが多いです。
てんかんと診断された場合、最終発作から2年間は車の運転が禁止されます。
したがっててんかんの診断は慎重に行う必要があり、信頼できる医師にかかる必要があると思います。