「ほてり」もよく認められる症状ですが、本人も治療対象の症状と認識していないことも多いです。
とくに更年期の女性に見られることが多いですが、男性でも高齢者でも認められます。
また手足は「冷え」があるのに、顔は「ほてる」といった、「冷えのぼせ」の症状もよく見られます。
これらはすべて西洋医学的には治療はできないのですが、漢方ではまさに真骨頂となります。
「ほてり」に対してよく使われる漢方薬としては以下のようなものがあります。
勿論その人の「証」にあった漢方薬を探していくのですが。
- 加味逍遙散(ほてりがあり、精神的な緊張が強い人に使います。)
- 桂枝茯苓丸(冷えほてりに対しての第一選択薬となります。)
- 当帰芍薬散(冷えがあり、むくみやすい人に使います。)
- 大柴胡湯(体格がよく、腹部の緊張が強い方に使います。)
- 小建中湯(おなかの調子が悪く、布団の中で足が火照る人に使います。小児の低血圧にも使います。)
- 温経湯(冬になると手指があれやすい人に使います。不妊治療にも使います。)
- 五積散(風邪をひきやすい体質で、体が冷えると胃腸の調子が悪くなり、腰がだるくなる人に使います。)
- 黄連解毒湯(顔が赤く、鼻血が出やすく、カッカと怒りっぽい人に使います。苦い薬なので、冷やして飲みます。)
- 温清飲(黄連解毒湯と同様ですが、皮膚があれやすい人に使います。)
- 三黄瀉心湯(黄連解毒湯と同様ですが、便秘がちの人に使います。)