視神経脊髄炎は多発性硬化症とよく似た疾患であり、以前は区別されていませんでした。
しかし、多発性硬化症患者の中で抗APQ4抗体や抗MOG抗体などの抗体が発見されるようになり、多発性硬化症とは別の疾患としてとらえられるようになった疾患です。
多発性硬化症と同様に視神経と脊髄、延髄などの中枢神経に脱髄病巣が出現します。
ただ、脊髄の病巣が、多発性硬化症よりも長く連なって出現することが多く、より症状が重く出ることが多いとされます。
また多発性硬化症よりもステロイドパルスへの反応性がいいことが多いです。
治療としては発作出現時にはステロイドパルスを行い、効果不十分な場合は血漿交換を行います。
最近では視神経の症状に対して、免疫グロブリンも保険適応を取り、使えるようになりました。
再発予防の薬としてはステロイドの内服や免疫抑制剤(アザニンなど)を使うことが多かったのですが、最近はエンスプリング、ソリリス、ユプリズナなどの新薬が出てきています。
新たな治療薬も出てきており、多発性硬化症との鑑別が非常に重要となっています。