高齢者の複視の原因の「sagging eye syndrome」とは?
複視で困っている方は多いと思います。
少し前のコラムでも書きましたが、複視がある場合、まずは脳動脈瘤を除外し、その次にビタミン欠乏や炎症などの内科的な疾患を除外していく事となります。
どんなに除外しても原因不明の複視がそれでもあります。
そのようなときにどのような疾患を考えるかですが、高齢者で遠方を見たときにだけ複視が出現し、近いところでは複視はないといった場合には、「sagging eye syndrome」というのがあります。
「sagging:サジング」とはたるみのことであり、眼の周りの動眼筋と呼ばれる筋肉がたるんできてしまうために引き起こされる複視となります。
特徴としては記載した通り、近いところでは大丈夫だが、遠方を見たときに複視が出現することです。
これは手術により改善することができる複視となりますので、きちんと診断することが重要となります。