夏場のしびれは危険!その原因とは?
多くの方がしびれを感じたことがあるのではないでしょうか?
しびれとは医学的に言えば感覚障害の1つで、感覚の経路のどこかに異常が生じることで自覚する症状です。
例えば手の感覚受容器から得られた刺激は、末梢神経と呼ばれる手の神経を伝って、脊髄に届けられます。
下肢の感覚であれば腰髄に、体幹の感覚であれば胸髄に、上肢の感覚であれば頸髄にインプットされ、そのまま脊髄内を上行して脳に至るのが正常な感覚の経路です。
この経路のどこかに異常をきたすとしびれを自覚します。
例えば、脳出血や脳梗塞、脳腫瘍で大脳や脳幹に異常が生じると、急に病変部位とは逆側の上肢や下肢のしびれが生じることになります。
病変部位の大きさによってしびれの程度や範囲も様々です。
次に、脊髄そのものや、脊髄を覆う骨である脊椎、もしくは靭帯や椎間板に異常が生じた場合、脊髄の中の感覚の情報が流れる部分が障害されしびれを自覚します。
この場合、脊柱管狭窄症や脊椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊髄腫瘍、多発性硬化症などが原因として考えられます。
次に、脊髄から分岐した末梢神経が障害されるとその部分に限局したしびれを自覚します。
肘の内側部分には尺骨神経が通っていて、肘をぶつけたときに腕や手がビリっと痺れる(俗に言う「ファニーボーン」)症状は誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか?
もしくは、長時間の正座で足が痺れるのも坐骨神経が障害されるからです。
他にも、糖尿病やギランバレー症候群、帯状疱疹など様々な原因で末梢神経が障害される可能性があります。
さて、ここまででしびれが生じる理由とその原因について触れてきましたが、これからの季節は特にしびれに注意すべきです。
歴史的にも厳しい暑さが続く日本では、8月現在ですでに多くの熱中症や脱水患者を生み出していますが、これがしびれの原因となってしまうのです。
熱中症や脱水は、血液の濃度を濃縮させてしまうため、血液の粘性が増加して脳梗塞に罹患しやすくなってしまいます。
またそれとは別に、大量の発汗によるカルシウムやナトリウムの流出により、血液中の電解質異常が生じるとしびれが出現してしまいます。
これは、神経が刺激を伝達する際にはカルシウムやナトリウムが必要ですが、不足することでうまく刺激伝達が行われず、しびれとなるのです。
また、熱中症の影響で過換気になってしまうと、血液中のカルシウムが低下してしまい、同様の理由でしびれが生じます。
まとめ
しびれの原因は多岐に渡りますが、特に夏場は熱中症や脱水になりやすく、脳梗塞や電解質異常、過換気などに罹患しやすくなり、しびれが出現しやすい時期でもあります。
ナトリウムを含む水分をしっかりと摂取することでこの猛暑を乗り切りましょう!