子どもは片頭痛でお腹が痛くなる?
頭痛の国際的な教科書である、国際頭痛分類の最新版にはちょっと変わった頭痛があります。
その名は「腹部片頭痛」。
片頭痛の名称がありますが、実際には頭痛はありません。
主に小児時にあり、腹部正中の痛みを繰り返す原因不明の症状です。気分不良を伴いますが、数時間(2-72時間)で改善し、すぐにケロンと元気になってしまいます。
子どもがお腹が痛いと言ったら心配になりますが、すぐに改善し、元気に走り回るので、そのうち腹痛を訴えても気にならなくなってしまいます。
そのため精査を受けることもあまりなく、精査を受けたところで、何も原因となるようなものは見つかりません。
子どもを持っている親御さんならこのような経験があるかと思いますが、このような「腹部片頭痛」の可能性もあります。
「腹部片頭痛」といいますが、頭痛は来さないとされています。
しかし、この「腹部片頭痛」がある子どもは成長するに連れて、片頭痛を発症すると言われています。
確かに、若い人の片頭痛診察をするときに、親御さんに尋ねると、この「腹部片頭痛」を疑わせる既往を聞き出せることは多いです。